Bill Lawrence BT1E-90B trigger2
2020.12.21
すっかり漏れてしまったのですが、10月にビルローレンスのBT1E-90Bを入手しました。





製造年は不明ですが、概ね1988~1992年位の間と思われます。
定価9万円、なんとエボニー指板、アッシュ2ピース、現在メイドインジャパンでこのレベルのギターを作ったら最低20万円からです。アメリカ製なら25万円以上でしょうねえ。残念ながらピックアップは交換されています。
ネジ穴がぴったりあってない所から、ピックガードも交換されているかも。
仕入れ価格は45000円。



ビルローレンスのギターというのは中々に複雑な事情がありまして、元々はアメリカのピックアップ製造会社でディマジオやバルトリーニの師匠であるビルローレンスさんが立ち上げたのですが、日本のモリダイラ、アコースティックギターで有名な(MORRIS)と契約して80年頃に日本でライセンス生産を始めたのですが、そもそも米国本社のビルローレンス製ギターという物がありません(ピックアップ専門会社なので)。本物がなんと日本製のライセンス生産品しか無いという、極めて稀な商品なのです。
また、このライセンス問題から、ジャパンビンテージの本が出版できないため、放置されているのだと思われます。

しかし、アコースティックギターで高度な技術を持つモリダイラが自社工場で製造したため、その工作精度は非常に高く、定価5万円~6万円程度のギターでも、現在の工房系ハイエンドギターに匹敵するギターが多数存在します。
しかしながら、電装部品のコンデンサ、ボリュームポットの数値選択はかなり疑問のある物が多数、何故か高いモデルはいまいち工作精度が低いのが疑問です。まあ、これは情報の少ない80年代にアコギメーカーが作った物なのでね・・・・

今回入手したビルローレンス製ギターは3本目になるのですが、一般的な材木を利用したモデルでは一番高い(定価9万円)物です。
使用している材木はとても良いのに、何故か、ボディとネックの接続部分に大きな隙間があります。

ビル三兄弟。ビルズブラザーズになってしまう笑



左から、定価6万円、6万5000円、9万円・・・・左二つは高精度。

ここから先はワタシの個人的な推測なのですが、恐らく、ハイエンドモデルのアッシュ材のギターは加工済のボディをアメリカから輸入していたのではないかと。
自社で調達した国内産の材木、センで作ったボディは、ネックときちっと合う精度で加工していたと思われます。じゃあ真ん中のアルダーは!?・・・解りませんが、当時のアルダーは安いから材木で輸入してたのかも。フェルナンデスも当時5万円のギターに使ってましたしね。

通常、これだけの隙間があれば大体ネックとボディはセンターズレを起こしている物ですが、さすがはモリダイラ、ぴったりセンター合ってます。
但し、夏場湿度が高く、冬は超乾燥な日本において、この隙間を放置すると弦のテンションからズレが発生する恐れもあり、アートテック杉浦先生から教えて頂いた、ネックポケット修正をやってみました。

続く



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