部品の精度と耐久性と価格
2020.07.08
長年、エレキギターを触って来た人はご存じかと思いますが、日本製ギターに搭載されたフロイドローズには、オリジナル(本物)と、GOTOH(ライセンス)、とタケウチ(ライセンス)が主に使われていました。この並び順は、値段です(笑)

ウチにあるギターでは、VALLEY ARTS SSH270(当時定価27万円)に、オリジナルが搭載されていて、
フェンダージャパン STR-730(当時定価73000円)には、タケウチ製が搭載されていました。
いずれもゴールドパーツです。

タケウチ製は、なんと3年でメッキが剥がれ、金属が露出して酸化、真っ黒くなってしまいました。
今から21年前に、VALLEY ARTS SSH270 は、ARTTECHにてGOTOH製ライセンスに交換し、元に付いていたオリジナルをフェンダージャパン ST-730に移植し、タケウチ製は当時捨てました笑

オリジナルと、GOTOH製は20年以上経過している現在、多少の錆は出ておりますが、メッキが剥がれて黒く酸化している部分はありません。

これ、何が違うのかというと、金メッキの厚さが違うんですよね。
厚みを出すほど値段が高くなります。

ここ数年、接触の悪くなったセレクターを交換したのですが、国産のDMは全部1年以内に接触不良が起きてます。対して、CRL、OAKは全く問題ありません。
どうやら、DMはセレクターの作動部分の薄い金属がペラペラで、配線改造をまめにやることで、半田ごての熱で変形してしまうようです。一点、一点しっかり熱冷ましてからやるしかない。
この僅かな変形による接点不良を、接点復活材でごまかしている場合、露骨に音質が劣化します。
これって、40年位部品製造会社にフィードバックされてないのでしょうかねえ?
YM、DMは300円プラスで大幅な性能アップしてCRL、OAKなんて軽く凌げる性能出せるはずなんですよねえ。

対して、YMは、分解して接点清掃がとてもやり易い。(磨けます)耐久性はどっこいどっこいですが、接点という観点ではYMのほうがマシかと思います。

改造やらない人はDMで良いでしょうけど、改造やる人はCRL、OAKなど海外製のほうが良いかと思います。

日本では、部品を仕入れて販売する、例えば先日ディスコンになった私もお気に入りで使ってたG マークのボリュームですが、GOTOHが販売してますけど、製造はGOTOHじゃなく、中小部品製造会社に発注してるんですよね。秋葉原であれ370円で売ってましたけど、製造元、GOTOH、販売店、3社が利益を出している状態で、あの精度のボリュームが370円というのは、今考えると奇跡です笑

CTSなんて700円もするんですから、2倍近いじゃないですか!!

Gのマークのボリュームを製造していた部品会社、恐らく、消費税が10%に上がった時に廃業してしまったのかもしれません。
日本の中小部品製造会社、メッキ会社、ネジ製造会社、
みんなギリギリで頑張ってたんです。メイドインジャパンの安価で高性能、高品質を支えた皆さん。

昨年10月消費税増税に合わせ、今なら退職金払えるから・・・・と言って、物凄い数の部品製造中小会社が廃業しました。

日本の製造元会社は長年、価格転嫁ができませんでした。政府が消費増税分を大企業に肩代わりさせられてないか、聞き取り調査なんてやってましたけど、もう皆さん廃業済みです。

メッキもネジも、新規取引受付は相場2倍になってます。キャパ超えちゃってるんです。
なので転嫁どころか部品調達が大変なことになってます。

昨年10月の消費税上げで、メイドインジャパンの安価、高性能、高品質は終わりました。

20年生き残る部品と、3年で終わる部品、1年持たない部品。その差は値段か誇りです。

- CafeNote -