爺耳とは言わせない
2020.10.27
ここ一か月、往年のギター用ラック型エフェクターを購入し、TRUE BYPASSができることの重要性などについて記載してきたのですが、昨日、YAMAHA REV5、かつては業務用レコーディングスタジオには必ずと言っていいほど常備されていた往年のリバーブ名器(1985年製)が4400円で売られていたので、これを買ってしまおうか悩んで、ブロックダイヤグラムを見てみました。



・・・・

なんとTRUE BYPASS仕様じゃないですか。(厳密にはバッファー通ったらTRUE BYPASSじゃないか、まあそこは置いといて笑)
※後日、(バッファードbypass)という言葉があることを知りました。
以下訂正していきます。

リバーブ成分のみをDSPでデジタル処理して、元音アナログ信号と混ぜる仕様。
バッファーアンプ記載までありますので、アナログミキサーとして作動してます。
REV5の前面のコントロール素子が、アナログミキサーとしてDRY100%~WET100%、として作動する仕様なのです。これは直列に接続しても確実に元音劣化避けられます。
また、プリアンプを内蔵しているため、エレキギターなどを直接接続しても劣化無く音が出せます。

これを見てしまって、もしや・・・・ウチで使ってないラックエフェクターの仕様を調査してみた
ところ・・・・

ROLAND SRV-3030 (1999年発売)
ブロックダイヤグラムは残念ながらアルゴリズム仕様で変化するので不明と思いきや、
最後の仕様ページで判明します。



周波数特性
ダイレクト5HZ~200KHZ
エフェクト15HZ~20KHZ

ダイレクトで上の周波数が200KHZまで出るということは完全にアナログです。
TRUE BYPASS仕様、アナログ信号デジタル信号ミックスです。
現在のハイエンド、Line6 HELIXはフルデジタルのサンプリングレート96KHZなので、
仕様上の周波数特性上限は48KHZです。

この差、解って貰えますかねえ。アナログだと軽々と200KHZまで出ちゃうんですよ。
これはTRUE BYPASS仕様

次。

ROLAND SDX-330(発売日不明、マニュアル記載から多分1993年頃だと思う)デジタルディメンジョンエフェクター
しのちゃんはこれが大好きで一時期3台持ってました。2000年代投げ売りされてて中古で3000円で購入できましたからねえ笑今でもミックダウン時は必須です。一台使ってないので・・・



こちらも仕様で
周波数特性
ダイレクト5HZ~70KHZ
エフェクト20HZ~20KHZ

バッファードbypass仕様です。アナログ信号デジタル信号別処理ミックス型です。SRV-3030に比べて周波数特性が悪いのは、プリアンプ内蔵しているためです。
TRUE BYPASSとバッファードbypassではこれだけ特性に差が出るのでしょうねえ・・・

ついでに持ってない機材も調べてみましたが、
ROLAND SDE-2000 (発売日不明 多分1980年代)往年のディレイです。



こちらはブロックダイヤグラムがそのままTRUE BYPASS仕様、アナログ信号デジタル信号別処理ミックス型です。



そんな中、YAMAHA SPX990(1993年発売)はどうなのだろう。



残念ながらフルデジタルです。
ヤマハはデジタル強いのでかなり早くからフルデジタル化していたのでしょう。
直列で繋ぐと先日入手したFX900同様の音質劣化は避けられないでしょう。

ついでに調べたYAMAHA SPX90 II (1986年)



サンプリングレート31.25KHZフルデジタル。直列で繋いだら最早カセットテープレベルのスペック(笑)どんだけ劣化するのか、ある意味直列接続で音聴いて見たいレベルです。使うなら必ずアナログミキサー経由で。

では、現行型はどうなのだろう。
YAMAHA SPX2000(2003年から現在も販売。進化は完全に終わっている)



やはりフルデジタルです。

こうして歴史を振り返ると、ローランド製品は確実に音質にこだわりを持ってデジタル時代に開発していたのが解ります。

ラックエフェクターはそれぞれアンプ内蔵、非内蔵、アナログミキサー内蔵、フルデジタル、と様々な仕様なので、エレキギターで使用する場合、コンパクトエフェクターのように直列で接続することは基本的にできません。
ギター用のラックエフェクターを避けて、業務スタジオ向けに開発されたROLAND製ラックエフェクター(アンプ内蔵型のみ)を使用してループスイッチャーを使えば、大規模なラックシステムを回避してかなりシンプルなラックシステムを構築できたのかもしれない。本当はSONY D7 R7 M7なども調べたいのですが、SONYは業務オーディオから撤退してしまっているので資料が見つかりませんでした。
誰かマニュアル持ってたら資料見せて下さい。
BOOWY ONLY YOU 生音カラオケ 
2020.10.25
仕込みの合間を縫って、居酒屋録音、生オケカラオケ作ってみました
(kihonkabeoさんのドラムトラックお借りしてます)



エレキギターは度々登場している、ビルキャスターです。
BOSS 改造メタルゾーンで歪ませて、ラインでマスタリングイコライザー経由、軽くコンプレッサーをかけて録音後、プロツールスでamplitubeLEをかけてます。
NOCASTER51ピックアップですが、加工で結構80年代モダン系も行けますねえ。
ソロは先日入手のジャンクヤマハマルチ、FX900でディレイをかけ録りして(先日の動画4番目のアナログミキサー経由配線)、更にプロツールスでディレイプラス。
アコースティックギターは、K・YAIRI、居酒屋しのちゃんチューン。
L.R.Baggsのコンデンサマイクをボディ内部に取り付け&ブリッジ下にピエゾマイクを取り付けてあります。(15年前なので型番不明)
BASSはこちらも以前修理コーナーで登場したHISTORY製。MIDAS DM12のラインに入れて無理やりゲインで引っ張り上げて録音(DI売っちゃったんで無いんですよ)
松井常松さんのオールダウンピッキングやりたかったけど、今月46歳になる普段ベース弾かないオッサンは2分でギブアップwオルタネイトピッキングでオールダウンに聞こえるように(ごまかして)弾いてます。ひよったなオレ去年までは頑張れたのにもう無理。
前回に続き、今回はアナログミキサーを使用したラックシステムの欠点と回避
2020.10.14
このシステムの欠点を指摘している過去ログが、なんとmixiのコミュニティ掲示板で発見。

https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=1100752&id=10468965

上記リンクから引用、長くなります

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[3] mixiユーザー
ミキサー導入は本当に一長一短なことなので、その人の使うシステム環境によりけりじゃないでしょうか。

近年、ミキサー導入の理由として恐らく最も多く挙げられることが、エフェクトループインターフェース的な考え方で「デジタル回路を通ることによる音質変化を避ける為に使用する」ということかと思います。しかしこれは、確かにアナログミキサーの使用により回避することはできても、それを使用することによって接点の増加など今度は「音質劣化」を生みますので、もし接続機器数が少ない場合は結局は一長一短になっていまします。

因みに僕の場合は、プリ+G-FORCE+パワーというシンプルな構成にも関わらず「デジタル回路経由の回避」を理由に以前に一度ミキサー導入をしたことがあったのですが、結果は、僕にとってはG-FORCEのデジタル回路を通る「音質変化」よりも接点増加による「音質劣化」の方が気になり、結局は試しただけで終わりました。

次に、ミキサー導入の最大のメリット(というか最大の理由)になるのが、80年代後半~90年代に特に流行った「ドライ+ウェットの独立複数系統出力」だと思います。これをやりたいという場合は、上述の音質変化や劣化など有無も言わさずに
導入せざる負えないですし、目的によっては取り入れる価値も十分にあると思います。

逆に最大のデメリットを挙げると、例えばG-FORCEのようなマルチエフェクターを中心のシステムにする場合は、ミキサーを使用してパラレル接続するということは、それにによってエフェクト効果に制限が加わり結局はマルチとしての可能性を狭めることにもなったりします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※ここまで引用

おおお~まさに調べていたことが全て記載されています素晴らしい!!
実は前回ワタシが上げた動画も、上記の通り2000年代のベリンガーの安価なミキサーを使用したため、若干ハイ上がりで音が細くなっています。※この当時のベリンガーの安価なミキサーは音質より多機能優先していました。

ミキサーをMIDAS DM12に差し替えて同じことをしてみたら、明らかに音が太く劣化が少なくなりました。
そして、上記の方も記載されている、ミキサー使用のパラレル接続をした場合にマルチの性能が狭まる点ですが私はこうして回避しました。



MIDAS DM12はAUXアウトが2系統あり、どちらもプリフェーダー、ポストフェーダーの独立選択が可能なため、プリフェーダーで送り、マルチとして使用する場合はフェーダーを下げてリターンのみ音が出るようにし、デジタルマルチとして使用、アナログ、デジタルミックスする場合はフェーダーを上げてエフェクターのほうの設定をWET100%にする。フェーダー上げ下げが必要なので一発読み出しはできないのですが、裏に回って配線やり直しする必要がなく、録音環境では中々便利になるのではないかと。

2000年頃にはMIDAS DM12のようなプリアンプも高音質でローノイズなコンパクトアナログミキサーは存在していませんでした。現在だからできる技でしょう笑
ステレオでこれをやりたい場合は、ループスイッチャーの二個のチャンネルを消費してアナログミキサーのバス出力ある物を選択するとチャンネル数増やせます。


んで、ついでに以前ラックシステム使用していた最近のベテランさんたちはどうしているのか調べてみた所、なんとカシオペアの野呂一生大先生は、Line6 HELIXで済ませてしまうそうでこれもびっくり仰天でした。

https://i1484.jp/2018/04/isseinoro/report-36880.html

結局、複雑なシステムでトラブルを避けることが重要だと。
ライブをやるプロにとって一番重要なのは、音が良いということも重要だけど、トラブルが少ないことが一番の優先順位なんですよね。
ワタシみたいに録音マスタリング畑の人間は、トラブル起きたら交換すれば良い、というちょっとした甘えがあり、リアルタイムにライブやる絶対トラブル起こせない人たちとは若干ズレがあるのは仕方ない。

まあ、ワタシの場合は安く過去の遺産を楽しむ趣味の世界なので、皆さんの参考になれば。

- CafeNote -